スタートレック4・故郷への長い道

『スタートレック4・故郷への長い道』
ST4


【総論】

せっかくスポックが生き返ったのに、今度はエンタープライズが吹っ飛んじゃうなんて~!と嘆いたファンを安心させてあげるために作られた作品。(断定)

それまでのシリアスな展開からうってかわって、なんとコメディタッチ! 最初は何だってぇ?!と思ったけれど、考えてみればTOSにはそんな話がいくつもあった(「宇宙犯罪シンジケート」とか「新種クアドトリティケール」とか)わけで、"まさか映画でやるとは思わなかった"という驚きだった気がする。
何しろ、この映画は公開前から期待と不安で一杯だった。エンタープライズが復活するらしい!(タイムトラベルして復活させるという噂もあった気がする) いやいや、バード・オブ・プレイが新しいエンタープライズになるらしい! エディ・マーフィーが鯨にまたがってやってくるらしい!(あながち根拠のない話でもなかった)..いろいろだ。
なんでも、エディ・マーフィーはスタートレックの大ファンらしい。出演は結局実現しなかったけど、残念だったろうなぁ。...

最終的に出来上がった映画は「スタートレック」好きであろうがなかろうが大丈夫!の明るい作品に仕上がっていた。スタートレックの設定や歴史を知らなくても、20世紀終盤を訪れたカーク"提督"達の数々の「カルチャーギャップ体験」を純粋に楽しめると思う。とにかく、明るい西海岸の雰囲気が実にいい! 僕なんか、彼らを追体験したくてサンフランシスコまで行っちゃったくらいだ。


【この作品のポイント】

☆この映画にMacが出てきた!って....いまだにうるさいんですよね、Macオタクの皆さんが。(苦笑)

☆スポックの再訓練プログラム。今見てもすごい。まさに詰め込み教育だ。

☆冒頭の艦隊司令部のシーンで出てくるカートライト提督、かっこいい! モロー提督よりもビシッとした、なかなかデキそうな人だ。まさかこの人が後に...(ネタバレにつき、自粛)

☆個人的な感想だけど(全部そうか)、危機対応に追われる艦隊司令部のシーンで、スクリーンに出てくるエキゾチックな艦隊士官がなんか好き。各国の状況を知らせるアナウンスも含めて、国際的なイメージがすごく出てるんだよなぁ...

☆DS9「伝説の時空へ」によれば、カークは17回の時間法違反(24世紀になっても史上最多!)を犯しているらしい。まだちゃんと数えたことがないけど、その中には23世紀でマッコイから貰った眼鏡を20世紀で売った件も入っているんだろうか? (ジリアン博士はともかく、鯨を23世紀に連れ帰ったのも違反??)

☆時間法違反といえば、マッコイもチェコフもかなり凶悪な違反行為をやらかしてますな。スコッティも際どいし..。うん? 全く無実(時間軸に影響しない範囲内の行動)なのはウフーラとスールーだけ?

☆カークが今風(20世紀風)の言葉遣いをするのを見て、自分もやってみようと思ったスポック。次々に珍妙な言葉遣いを繰り出して、カークを呆然とさせるが、現DVDの「あたぼう」は、劇場公開時は「ピンポーン!」(当時の流行語)だった。...さすが!というか、20世紀を調べ尽くすにも程があります、スポック。

☆それにしても、あの字幕はほんとに気が利いていた。DVDに「劇場公開版字幕」として収録してくれたら嬉しかったのにな..

☆カーク提督は「次の停車駅は23世紀だ」と言っていた。そういえば、23世紀にも鉄道が残っているんだろうか? 映像に出てきたことがないけど、鉄道形式の交通機関が存続しているか、あるいは用語としての「駅」が別の形で使われているか、そのどちらかかな?

☆カーク提督の表情からすると、23世紀にはビールがないようだ。(ミケロブビールを飲んで一瞬おやっ?としていた。)

☆映画の最後に艦隊司令部が見せた、粋な計らい! いいよなあ、あんな形で現場に復帰できるなんて、カーク船長、今までの貢献が報われたねぇ!...と、ちょっとホロリとした。人は役職ではなく、"適所"で仕事をできるのが一番幸せなんだと思う。


【印象的なセリフ】
マッコイ「絶滅しなかったのが奇跡だな。」(20世紀の街の人々を眺めて)


【今回の「頑張れ!チェコフ」】
航空母艦の甲板から落ちて脳に損傷。20世紀の遅れた医療技術であやうく殺されるところだった。
映画のたびにさんざんな目に遭って可哀相なので、いつか提督にしてあげてください。>艦隊司令部の皆様


【今回のU.S.S.エンタープライズ】
特に異常なし(だってほとんど登場しなかったものな..)
そのかわり、航空母艦のエンタープライズはチェコフとウフーラにせっせと核燃料(の中から光子)を抜かれてた。


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